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ズームアップ 第575回「躍進誓う期待のリフター」

ウエイトリフティング部 扇本 崇聖



悩み苦しんだ1年だった。1年前、インターハイチャンピオンとして明大の門をたたいた扇本崇聖(政経2=名城大付)。デビュー戦となった昨年4月の全日本学生個人選手権ではいきなりジャークで自己新記録を出してみせた。しかし、それ以降はケガが重なり思うように練習ができず、慣れない寮生活での負担もあり、なかなか結果を出せずにいた。

しかし、ついに真価を発揮する。今シーズンに入りケガから復帰。2年目を迎えた大学生活も落ち着きをみせ「今は絶好調」。4月の全日本学生個人選手権ではスナッチ、ジャーク共に1年ぶりに試合ベストを更新し、明大勢最高の4位となった。「出来は悪かったけど、今思えば良い1年だった」。もがき苦しんだ日々から学び、心身共に強くなった扇本が「ここから魅せていく」。苦難の1年を糧にしてみせる。

扇本の活躍が、チーム復活のカギとなる。今年に入りケガを抱える選手が増え、全日本学生個人選手権では多くの選手が記録なしに終わるなど、不安の残るスタートとなった明大。その中でも扇本は「唯一調子がいい」と本多達雄監督も太鼓判。また「ウエイトにストイックな姿勢が勉強になる」(村上堅信・政経1=滑川)と後輩たちにも良い刺激となっている。

次に迎えるは7月に行われる東日本大学対抗選手権。新チームで臨む初の団体戦で、12月の全日本大学対抗選手権の前哨戦でもある。「まずは東日本で優勝したい」と、扇本は記録なしに終わった昨年のリベンジを狙う。大学でのサクセスストーリーはここから始まる。

(おおぎもと・たかし 政経2 名城大付 175cm・85kg)

文・写真/高野 夕(法3)