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文学部・平山満紀ゼミが大船渡の椿の魅力を紹介する冊子を制作

椿油の「生搾り」に取り組む搾油所を取材 『椿のパーフェクトブック』の一部

文学部心理社会学科現代社会学専攻の平山満紀准教授のゼミでは、このたび、岩手県大船渡市の花に指定されている椿の多様な魅力を伝える冊子『椿のパーフェクトブック—大船渡が誇る宝—』を制作した。

平山ゼミは、東日本大震災以来、大船渡市などで復興活動・研究を行ってきたが、被災地の課題が地域振興へと移っていった2015年度からは、大船渡の椿という地域資源に着目して、市役所や民間の事業者たちと協力し、取材や作業体験、情報発信などを積み重ねてきた。

大船渡はヤブツバキの北限の地で、地元の人々は古来からこれを鑑賞だけでなく、椿油、肥料、椿炭、防火林など、多様に活用してその恵みを受けてきた。しかし、現在ではその伝統もほとんど忘れられている。大船渡市民が、椿の歴史や伝統を知り、生活に地域文化を取り戻し、椿油などの新たな商品開発で産業を振興していくことは、大船渡ならではの発展につながると期待されている。

地域振興を支える基礎資料であるこの冊子は、市民への配布が始まっており、今後は市内の小中学校で椿学習の教材として活用される予定。学生たちは、大船渡の温かい人々との関わりに感謝し「根の強い椿は津波でも流されなかった。大船渡の人たちの強さも椿のようだ」と感銘を受けていた。
(文学部准教授・平山満紀)