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武器貿易条約第4回締約国会議直前シンポジウム

「世界の武器移転をめぐる理想と現実」各国専門家が活発に議論

シンポジウムは満席となり注目の高さをうかがわせた 締約国会議議長の髙見澤氏がキーノート・スピーチ

明治大学国際武器移転史研究インスティテュート(所長=横井勝彦商学部教授)は8月18日、武器貿易条約(ATT)第4回締約国会議直前シンポジウム「世界の武器移転をめぐる理想と現実」を駿河台キャンパス・グローバルフロントで開催した。

これは、8月20日~24日まで日本が議長国を務め、東京で開催された武器貿易条約第4回締約国会議を前に、過去と現在の武器規制の理想と現実、そして今回の会議に向けた重要課題を解説し、考察しようとするもの。国内外の研究・実務の第一線で活躍する専門家が集結した。

小川知之副学長(研究担当)のあいさつで開始したシンポジウムでは、キーノート・スピーチとして軍縮会議日本政府代表部特命全権大使である髙見澤將林氏が登壇。第4回締約国会議議長としての活動を振り返りながら、2014年12月に通常兵器の輸出入等の規制を定義した初の国際条約である武器貿易条約の意義や課題について紹介した。

続いてセッション1では、国際武器移転史研究インスティテュート専門研究員の榎本珠良氏、拓殖大学教授の佐藤丙午氏が「武器移転規制の歴史と現状」について説明。セッション2では、スモール・アームズ・サーベイ上級研究員のポール・ホルトン氏、ブラッドフォード大学教授のオーウェン・グリーン氏、ノンバイオレンス・インターナショナル東南アジア事務局プログラム・マネージャーのミッツィ・アウステロ氏、オスロ国際平和研究所研究員のニコラス・マーシュ氏が、武器貿易条約の諸課題についてそれぞれの視点から解説した。

休憩を挟んで行われた総合討論では、セッション1・2の登壇者6人による質疑応答が行われた。会場からは鋭い質問が多数上がり、活発な議論が展開されるなど、国際武器移転史研究インスティテュートの船出にふさわしい密度の濃いシンポジウムとなった。