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MIMS・杉原所長の錯覚作品を神社に奉納

岡山県・石上布都魂神社復興350年を記念し

奉納された賽銭箱の蓋。鏡の向こうには丸と四角が姿を変えて映る 近隣の校友も駆け付けた奉納奉告祭

岡山県赤磐市に鎮座する石上布都魂神社が寛文9年(西暦1669年)に藩主・池田光政公の命により復興されてから350年の節目を迎えるにあたり、明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)所長・杉原厚吉特任教授の錯覚作品が奉納されることが決定した。8月4日、現地で錯覚作品奉納奉告祭が斎行された。

奉納された作品は、鏡に映すと姿が変わる「変身立体」の形をした賽銭箱の蓋。ブロンズ鋳造で制作したもので、明治大学が推進する文部科学省私立大学研究ブランディング事業「数理科学する明治大学」の錯視チームの研究成果の一つ。

石上布都魂神社は、日本書紀に「素盞嗚尊が八俣の大蛇を退治した剣が当社に納められた」と記載されるとともに延喜5年(西暦905年)に後醍醐天皇の命により編纂された延喜式神名帳に記された「式内社」のうちの一つで、備前国では128社の中正二位に列せられた歴史のある神社。古来、神社・仏閣では節目の年に、絵馬や算額など同時代の著名な作品が奉納される慣例があり、今回は現代を反映して錯覚作品が選ばれた。

杉原特任教授のコメント

錯覚作品の奉納を依頼された時には、思ってもみなかったことなので驚きましたが、古くから神社の節目の年には算額が奉納される伝統があり、計算で設計した錯覚作品は現代の算額のようなものだと説明されて納得しました。そこで、錯覚が強く起こる自信作の「丸と四角」を素材に選んで賽銭箱の蓋を設計し、長く持たせたいとのご希望に沿うようブロンズ鋳造で制作しました。大変光栄な機会を与えていただいたことをとても感謝しております。