Go Forward

全米オープンでテニスの大坂なおみ選手があれよあれよとトップにのぼりつめるのを見て、思ったことは二つある。

一つはむろん、日本が本当に多様な人種的・民族的背景をもった日本人がいる社会に変わりつつあって、それが急速に進んでいるということだ。運動選手やモデルなど、スターになった人たちのケースが注目されるが、その背景にはスターではない人がたくさんいるのだ。なにしろ、日本国内で国籍や民族の違う両親の間に生まれる人が、今では49人に1人とも、20人に1人とも言う。

当然、明治大学の学生にも、本人が声高に言わないし、外見から明らかでないかもしれないが、複数的な背景をもった日本人が、日本語コースにも英語コースにも多数いる。日本人ということに関する形而上的な議論や意識よりも、現実のほうがずっと先を行っていることはまちがいない。

もう一つは、20歳前後の時期というのが本当にスペシャルだということだ。ほんの数週間、数カ月の間に人間が「大化け」する、そういう偉大な時期にある人たちを日々相手にしていることを忘れないようにしたい。