Go Forward

明大びと「常に次に出す作品が自信作」

作詞・作家 児玉 雨子さん(2016年文学部卒業、2018年文学研究科修了)



10代・20代を中心に若者に人気のアーティストやアイドルグループの楽曲の作詞家として、多数の作品を手掛ける。高校在学中、出版社主催の文学賞への応募をきっかけに、地方テレビ局の情報番組の主題歌の作詞に携わることに。明治大学在学中には徐々に作詞の仕事が増えていった。

作品より「現役女子大生作詞家」と肩書が前に出ることに抵抗はあったが、大学・大学院で過ごした6年間は作詞家として強みになった。「キャンパスや近くの喫茶店など、そこら中に題材があった」。御茶ノ水の街中で見かけた学生から着想を得たことや、中央図書館の書庫にこもって詞を書いたこともあった。

明治大学出身の作詞家、阿久悠氏、阿木燿子氏の作品は「語り尽くせないほど好き」。作詞に取り掛かる際には「いただいたメロディのどこに情景が入るのか」を考える。今時でありながら、そこには確かに昭和の歌謡曲と地続きの『ことばの世界』がある。つらいときに聴いて元気になったり、もっと泣きたいときに催涙剤になったり、身近にある作品になってほしい——。

代表作は“ない”。最高傑作を聞かれて「Next One!(次回作だ)」と答えたという喜劇王チャップリンを挙げ、「常に次に出す作品が自信作でなくてはならない」と笑顔を見せた。「前へ」の精神はここにも息づいている。

<児玉さんのインタビューは、広報誌「明治」第80号(2018年10月15日発行)でご覧いただけます>