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男女共同参画推進センターが学内講演会を開催「男女共同参画が問いかけるもの」

男女共同参画について解説する伊藤氏

明治大学男女共同参画推進センター(センター長=浜本牧子副学長、農学部教授)は1月9日、法人役員・大学役職者、事務管理職者らを対象とした講演会「男女共同参画が問いかけるもの~女性の視点・男性の視点~」を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催した。

昨年11月に発表された学長宣言「明治大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言」の実現に向けて、明治大学らしい男女共同参画の推進を目的とした今回の講演会は、内閣府男女共同参画会議専門調査会委員や日本ジェンダー学会会長などを歴任し、男性性を中心にしたジェンダー研究を専門とする京都産業大学教授の伊藤公雄氏を講師に招いて行われた。

伊藤氏はまず、1970年以降の国際社会における人権や男女共同参画(ジェンダー平等)に関する変遷についてさまざまなデータを示した上で、70年代~80年代にかけての「男性=長時間労働、女性=家事育児と非正規労働」という日本のジェンダー構造について紹介。「男性主導社会で高度成長したという成功体験が、ジェンダーの観点で変革をできなかった要因だったのではないか」と指摘した。

さらに、現役世代の減少と高齢者の急増による財政と経済の不安定化という課題を克服し、次世代が安定的に成長するためには「男女で支える社会に転換することが必要。女性の活躍の拡充はもちろん、男性が変わる必要がある」とし、性別を越えて個々人が力を発揮できる多様性に開かれた社会の実現を訴えた。