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明大びと「1000年後、人の心に残る作品を」

撮影:トム岸田

刀匠 川﨑 晶平さん(1992年政治経済学部卒業)

明治大学在学中に上野の国立博物館で「城和泉守正宗」と出合い、感銘を受けた。一般企業に就職するも刀づくりへの興味を捨てきれず1年で退職し、相州伝の名匠・宮入小左衛門行平に弟子入りする。「怒鳴られるのは当たり前、やすりが飛んでくることもあった」、燃え盛る炎を操り、真っ赤に熱せられた鋼を叩き、伸ばし、鍛える。一つ間違えれば大怪我につながりかねないからこそ、文字通り“真剣勝負”の修業時代を過ごした。

1999年に文化庁から作刀承認を受け、2003年に独立。2011年の展覧会での特賞1席・経済産業大臣賞をはじめ数々の受賞を果たし、2019年には150周年を迎える靖国神社に短刀を奉納するという大役を任されることになった。

全日本刀匠会常務理事・関東地方支部長として、現代刀の普及・広報活動にも取り組んでいる。アニメ作品とのコラボ企画展やスマートフォンのアプリゲームへの協力なども行った。「伝統を守りながら、現代刀の魅力を発信しなければならない」と意気込む。

良い刀とは、「凛とした気品があり、絶対的に姿が良いもの」。刀に表れる景色や刃紋はそれぞれ異なり、「一振りとして同じものができないから面白い」。夢は「1000年後の人が見ても心に残る作品をつくりたい」、切っ先は真っ直ぐ未来に向けられている。

<川﨑さんのインタビューは、広報誌「明治」第81号(2019年1月15日発行)でご覧いただけます>