Go Forward

和歌山県との連携講座「岡潔シンポジウム」

岡氏の魅力に迫ったパネルディスカッション

明治大学の生涯学習機関・リバティアカデミーは2月23日、和歌山県との連携講座「岡潔(おかきよし)シンポジウム 紀の国の偉人—世界が認めた孤高の天才数学者—」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。

和歌山県に縁のある偉人の功績を顕彰することを目的としたこの連携講座は、今年で8回目。今回は、日本が生んだ世界的数学者で日本的情緒や日本文化の重要性を訴え、教育問題についても切り込んだ随筆家でもある岡潔氏(1901-1978年)に焦点を当てて行われ、約1000人が来場した。

岡氏郷里の和歌山県橋本市・平木哲朗市長のあいさつでスタートしたシンポジウムは、まず、数学者、作家でお茶の水女子大学名誉教授の藤原正彦氏が「岡潔先生の今日的意味」と題して基調講演。代表的著書『春宵十話 随筆集』をはじめ岡氏が残した言葉の数々を紹介しながら、論理の危うさと美的情緒の大切さなどを解説。さらに岡氏が説いた自国の文化や伝統を大切にする心の重要性に触れ「グローバリズムの中にあっても、日本人の情緒は普遍的価値である。それを訴え続けたことが岡氏の今日的意味ではないか」と熱弁をふるった。

続いて行われたパネルディスカッションでは、奈良女子大学岡数学研究所長の松澤淳一氏をコーディネーターとして、和歌山在住の作家・佐藤律子氏、和歌山県企画部長の田嶋久嗣氏、明治大学から総合数理学部の砂田利一教授、思想家・人類学者で明治大学野生の科学研究所長の中沢新一特任教授が登壇。岡氏の魅力や同氏が残した言葉、その生き様から今の時代に我々は何を学ぶべきかについて議論を交わした。