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「折紙工学」をベビー用の紙おむつの吸収体に応用 —萩原一郎特任教授がユニ・チャームと共同開発

胴回りと股間周辺を3Dスキャンし立体データへ変換

研究・知財戦略機構の萩原一郎特任教授はこのほど、ユニ・チャーム㈱と共同で、平面の紙を立体的に表現する「折紙工学」を応用してフィットを高めたベビー用の紙おむつの研究を行い、赤ちゃんのからだに合わせて変形する吸収体を共同開発した。

研究の背景は、低月齢期特有の「ゆるうんち」が紙おむつの隙間やズレによって、モレが多く発生している状況にある。こうしたモレを低減するため、ユニ・チャーム㈱は今回、萩原特任教授らが研究する「折紙工学」に着目し、赤ちゃんのからだに合わせた紙おむつの形状に焦点をあて、共同研究・開発を行った。

股間部分に集合する複数パーツを組み合わせ成型 展開図 腹側からみた装着

研究では、赤ちゃんのドールを用いて、胴回りと股間周辺を3Dスキャンし、得られた立体データをパーツに展開。特に「複数のパーツで構成される股間部分」に注力して分析した結果、股間部分に「身体の内側に向かって(複雑な)凸形状が密集」していること、お腹側に「1つの凸状の頂点ができる」ことが発見された。

今回は、萩原特任教授らが構築した世界初の折紙設計システムを使用。足を伸ばした時、座った時の二つの状態の赤ちゃんのドールの写真画像から得られる3次元データをもとに、前部、後部、脚部、下部と4つに構造分離された股間部の展開図を得ることができた。この成果は、2019年4月25日から全国で発売された『ムーニー エアフィット』『ナチュラル ムーニー』の改良に応用されている。