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国際武器移転史研究所 国際セミナー「独立前夜インド航空機産業の誕生と国際ネットワーク」



国際武器移転史研究所(所長=横井勝彦商学部教授)は6月4日(火)、駿河台キャンパス・グローバルフロントにおいて国際セミナー「独立前夜インド航空機産業の誕生と国際ネットワーク-軍事的自立化と産官学連携の世界史的構造を探る-」を開催した。

同研究所では昨年12月に韓国・台湾から研究者を招聘して国際シンポジウム「冷戦期における台湾・韓国の安全保障政策-軍事援助と軍事的自立化をめぐって-」を開催しているが、今回のセミナーでは新たにインドから科学技術史・経済史を専門とする気鋭の若手研究者アパラジス・ラムナス氏(アーメダバード大学)を講師に招聘した。

当日の報告では、インド最大の兵器製造企業であるヒンダスタン航空機製造会社(HAL)創設の背景が、アメリカ、イギリス、ドイツなどからの国際的な武器移転・技術移転やインド科学大学院大学との関係に注目して多角的に論じられた。

ラムナス氏の報告とコメンテーターの問題提起を踏まえて、質疑応答の時間には、第二次世界戦期からインド独立に至る緊張した国際情勢のもとで、どのようなプロセスを経て、今日「インドのシリコンバレー」と称されるバンガロールに航空機の製造基盤が形成されていったかをめぐり、活発に議論が交わされた。

なお、国際武器移転史研究所では、こうした一連のセミナーの成果を踏まえて「アジア諸国における軍事的自立化」をテーマとした研究叢書の刊行を企画している。