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リバティアカデミーオープン講座 移民、難民問題を考えるプログラムを開催

(左から)鳥居教授、藤元氏、渡邉氏、モモ氏、石川氏

明治大学の生涯学習機関リバティアカデミーは6月22日、オープン講座「難民、移民問題を通して、多様性を持つ日本社会を考える—映画『僕の帰る場所(Passage of Life)』を手掛かりに—」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。

本講座は、移民問題を題材にした映画『僕の帰る場所(Passage of Life)』の上映(98分)と講演の2部構成となっており、第1部ではコーディネーターの鳥居高商学部教授の趣旨説明に続いて映画が上映された。映画は、日本に移住したミャンマー人家族を取り巻く社会を背景に描いた作品で、約620人の観衆は真剣な眼差しで鑑賞していた。

第2部では、土屋学長の講演の後、鳥居教授の進行でシンポジウムを実施。本映画の監督である藤元明緒氏およびプロデューサー渡邉一孝氏、認定NPO法人難民支援協会代表理事の石川えり氏、本学校友で、現在は飲食店などを営むミャンマー人のナン カン モ トゥン氏(通称モモ氏)の4名が登壇した。

土屋学長は「これからのアジアにおける日本の在り方を考えるきっかけになった。この映画は多くの人達に観てほしい」と感情を昂ぶらせながら語った。

シンポジウムでは、藤元監督が「映画はミャンマーに限らず、移民・難民問題に対する普遍的なメッセージにしたい」、モモ氏が「子どもは母国では外国人扱いされ、日本にいても外国人扱いされてしまう悲しい存在」、石川氏が「制度のはざまで苦しむ難民がいることに関心を持ってもらいたい」とそれぞれ映画の感想と自らの難民問題に対する考えを述べた。

本学は、2010年から国連アカデミック・インパクトへの参加、2011年から難民高等教育プログラムによる難民学生の受入れや「国際協力人材育成プログラム」として国際化に伴う社会の課題を解決できる人材の育成を行っており、本プログラムは国際課題をさらに深く考える第1歩となった。