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「グローバル化する世界とアフリカ-SDGsの達成に向けて」 — ノーベル経済学賞・ジョセフ・スティグリッツ教授を招き講演会

基調講演を行ったジョセフ・スティグリッツ教授 パネルディスカッションの様子 島田ゼミの学生らと意見交換を行うスティグリッツ教授

情報コミュニケーション学部は、8月27日、駿河台キャンパス・アカデミーホールにて、講演会「グローバル化する世界とアフリカ-SDGsの達成に向けて」を開催した。これは、8月28日から30日にかけて神奈川県横浜市で行われた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)のプレ・イベントとして開催されたもので、ノーベル経済学賞受賞経験者のコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授を招いて行われた。

約500人の聴衆を前に、情報コミュニケーション学部4年のディスティー・ンセンギュンバさんが司会を務め開会。土屋恵一郎学長があいさつに立ち、「経済成長に伴う環境や気候変動などの問題をどのように解決していくかが重要。アフリカに関する議論を通じて日本の向かうべき方向を考える機会にできれば」と述べた。

スティグリッツ教授の基調講演では、アフリカの開発や経済成長についてさまざまな角度から論じられた。先進国と途上国間の差を埋めるためには、雇用を新たに生むようなイノベーションとラーニング(生産性を向上させるための学習)が必要であり、それらが経済発展の源泉であるとの見解を示した。

続くパネルディスカッションでは、世界銀行のハフェズ・ガネムアフリカ地域担当副総裁とコロンビア大学のアクバル・ノーマン教授をパネリストに迎え、JICA研究所の研究員でもある島田剛情報コミュニケーション学部准教授がモデレーターとして登壇。

ガネム副総裁は、膨大な天然資源を持つアフリカについてポジティブな見解を示し、課題である雇用の創出や汚職の根絶にはテクノロジーが大きな貢献を果たせると論じると、ノーマン教授は、学習・産業・技術の一体化政策が、持続可能な成長をもたらす構造転換を起こすだろうと期待を込めた。

最後に、情報コミュニケーション学部の大黒岳彦学部長が閉会のあいさつを述べ、講演会は終了した。

講演会の前後には、スティグリッツ教授と土屋学長との懇談や、島田ゼミナールの学生との意見交換の場が設けられた。終了後、スティグリッツ教授は学生との意見交換について、「質問が面白く、感銘を受けた」と印象を語った。

ジョセフ・スティグリッツ(Joseph E. Stiglitz)コロンビア大学教授

1943年生まれ。クリントン政権の大統領経済諮問委員会委員長、世界銀行チーフエコノミストなどを歴任。2001年「情報の経済学」に関する研究でノーベル経済学賞を受賞。行動する経済学者としても知られ、世界各地を巡りながら経済の現状の分析を行っている。