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第591回 明大スポーツ新聞部ズームアップ

文・写真/清水康佑(商3)

最後まで泥臭く姿勢で示したキャプテン 水泳部(水球部門) 神 佑樹



試合終了のブザーが場内にこだまする。その瞬間、神佑樹主将(農4=明大中野)は天を仰いだ。今年で95回目の開催を迎えた日本学生選手権。初戦で強豪・専大との対戦となった明大は最終・第4ピリオドまで肉薄した戦いを見せる。しかし、あと一歩が遠く、無念の初戦負けを喫した。「このままで終わるのは正直考えづらい」大学4年間の競技生活に終止符を打った神。悔しさをにじませる言葉を交えながら、淡々と最後の大会を振り返った。

なによりもこだわり抜いたのは自らの姿勢だった。体育会に復帰して3年の水球部。内容だけでなく勝敗も求められるようになっていった。春のリーグ戦が近づくにつれ、主将としての自覚と責任感も徐々に芽生え始める。「率先して準備をしたり…後輩たちが僕を見て動いてほしいという思いでした」。「良いチームをつくる」というテーマの下、背中で引っ張る主将として個性豊かな部員たちをまとめ上げた。

「やるときにしっかりやって人一倍努力する。偉大な存在で目標とする先輩」。明大中野中時代からの後輩であるGK今村大和(商2=明大中野)は話す。本人は「ダメなキャプテンでした」と言う。しかし彼の姿勢を見て変わっていったメンバーたち。少しでも多くの点を取り、勝利への執念を見せるチームへと変貌を遂げた。

最後に10年間の競技生活の振り返りについて尋ねる。彼らしく真面目で本心からの答えが返ってきた。「いろいろ辛いこともありましたけど楽しかったな。それが一番です」。敗戦の後悔を振り払い、晴れやかな表情ではにかんだ。

(じん・ゆうき 農4 明大中野 181㎝・81㎏)