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博物館「今 甦る!琵琶湖に君臨した王 雪野山古墳」開幕式を開催

テープカットを行う関係者ら 雪野山古墳の研究成果を報告する大阪大学の福永教授

明治大学博物館は10月4日、雪野山古墳発掘30周年記念展示「今甦る!琵琶湖に君臨した王 雪野山古墳」の開幕式を開催した。これは、滋賀県の琵琶湖を見晴らす雪野山山頂に築かれた前方後円墳である雪野山古墳の、未盗掘で埋葬当時のままの姿で見つかった副葬品(重要文化財)を一挙公開した記念展示で、駿河台キャンパス・アカデミーコモン地階の博物館エントランスにおいてセレモニーが行われた。

開幕式は、滋賀県東近江市の小椋正清市長と、土屋恵一郎学長によるあいさつでスタート。小椋市長は、「関東で雪野山古墳の出土品展示は初めての試み。歴史のロマンを楽しんでいただきたい」と力強く宣言。土屋学長は、東近江市の関係者らに謝意を表したうえで、「今年は明治大学博物館開設90周年、さらに、明治大学の考古学研究が始まって70周年という記念すべき年に、雪野山古墳の発掘30周年を記念する展示ができることを名誉に思う」と大学を代表してあいさつした。

式典には元滋賀県知事の嘉田由紀子参議院議員ら約100人が参加。式典後、展示室内で解説が行われると、参加者らは太古の日本に思いを馳せ、貴重な展示品に目を輝かせていた。

展示解説の後、場所を移して、グローバルフロント・グローバルホールにて「ヤマト政権の国づくりと雪野山古墳」と題した記念講演会が催された。講師として大阪大学文学研究科の福永伸哉教授が登壇。1989年に雪野山の山頂付近で未盗掘の竪穴式石室が発見されてから、その後30年間にわたって続けられてきた雪野山古墳の発掘品の研究の成果が報告された。福永教授は、古墳内がそのままの状態で残っていたことから、葬送儀礼と副葬品の年代研究に大きな進展をもたらしたとして、雪野山古墳が学術的に高く評価される史跡であることを紹介した。