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朝日教育会議2019「人間とロボット—融合の可能性」

実演を交え、講演する野村氏 「人間とロボット」をテーマに熱い討論を展開

明治大学と㈱朝日新聞社が共催する「朝日教育会議2019~教育の力で未来を切り拓く~」が11月13日、GINZA SIX地下3階にある観世能楽堂(東京都中央区)にて開催された。本イベントは、本学を含む14大学・法人が参画し、「教育の力で未来を切り拓く」を全体テーマに据え、さまざまな社会課題解決を目指す連続フォーラムで、昨年立ち上がった。教育・研究・人材育成など、各大学が特色のある個別テーマを設定。その解決策について講演やディスカッションなどを展開し、成果を社会に発信していく。

人間の社会生活の根本をなす労働や移動、日常生活、遊びなどにロボットやAIが急速に浸透している一方で、人間が肉体を操るからこそ個性や世界観が映し出される「芸術」は健在である。時代の節目の今、ロボットと人間の可能性や限界、共存について考えることを目的として、「人間とロボット—融合の可能性」を本学のテーマに、土屋恵一郎学長、黒田洋司教授(理工学部)と狂言師の野村萬斎氏が登壇した。野村氏は、祖父・故六世野村万蔵氏と父・野村万作氏に師事し、「狂言ござる乃座」主宰、世田谷パブリックシアター芸術監督、東京2020オリンピック・パラリンピック開閉会式の総合統括を務めている。

第1部の基調講演は「狂言サイボーグ」と題し、野村萬斎氏が登壇。狂言師として日々意識していることや身体の動かし方など、「MANSAI解体新書」や「シン・ゴジラ」での経験も交え、紹介した。

第2部では、土屋学長と黒田教授がロボット工学研究の現在地と今後の可能性についてプレゼンテーションを行った。その中で黒田教授は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の惑星探査ローバーの開発や「はやぶさプロジェクト」、自律型移動ロボットなどロボットのデモンストレーションも交えながら、自身の研究成果を紹介した。

休憩を挟み行われた第3部のパネルディスカッションでは、登壇者3人と㈱朝日新聞社教育コーディネーターの井原圭子氏が第1部・2部を踏まえての感想や「人間とロボットの共存の可能性」、「ロボットの限界(人間だからこそできること)」について、時折笑いも交じる和やかな雰囲気で幅広い議論が展開された。定員420人を大幅に超える約4倍の応募があった中、当選した参加者は終始熱心に耳を傾けていた。なお詳細は、採録記事として後日、朝日新聞特集面で掲載予定。