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明大びと「声より歌える楽器」で新しい魅力を伝える

ハーモニカ奏者 寺澤 ひろみさん(2002年文学部卒業)

寺澤さんのインタビュー記事全文は、学生向けポータルサイト「MEIJI NOW」でご覧いただけます

ハーモニカ奏者を父親にもち、身近にハーモニカがある環境で育ったが、「好きなことをやらせてもらった」。高校時代は吹奏楽部でパーカッションを担当した。教育実習で高校に来た卒業生が、音楽サークル明治大学ハーモニカソサエティーのソリストだとわかり、声をかけてみると、文学作品の話題から意気投合。明大入学後すぐにハーモニカソサエティーの門をくぐり、サークルの練習と並行してプロ奏者に師事、「クロマチックハーモニカ」に没頭する日々を過ごした。

ところが大学4年の春、転機が訪れる。大好きだった父が病気で急逝した。生前、「10月にはドイツでハーモニカの世界大会がある。現地で飲むビールやワインは最高だ」とよく話していたことを母との会話の中で思い出した。父が演奏していた「複音ハーモニカ」を独学で習得し、半年後には初出場で優勝を果たした。以後、プロ奏者の道を歩むこととなる。

ハーモニカは、息を「吐く」時だけでなく「吸う」時にも音を鳴らせることから、「私にとっては、声よりも歌える楽器」。代名詞といわれる曲は、『コンドルは飛んでいく』。哀愁漂うメロディで知られる南米の民族音楽フォルクローレの代表的な楽曲で、「父も得意としていた曲」。

現在は、テレビ・ラジオへの出演や、映画・テレビドラマでのハーモニカ指導などにも携わっている。さらに、箏・尺八・ピアノトリオ・弦楽四重奏との共演など、ジャンルを超えた音楽表現で人気を博している。父の想いを受け継ぎ、これまでの枠にとらわれない、新しいハーモニカの魅力を伝え続けている。