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第593回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

背中と言葉で熱き団長が示した〝応援〟への姿勢 応援団 浜浦 良

文/中野拓土(法2) 写真/岩田純(法2)



10月30日、神宮での戦いを終えたのは、硬式野球部だけではなかった。校歌斉唱の中心にいたのは応援団団長・浜浦良(営4=文京)。日本一の応援団を目指して走り続けた1年間。最後のリーダー台であいさつをすると、観客からはねぎらいの声が飛び交った。

「六大学と言えば野球でしょ」。入学後の春に行った神宮球場。目に入ったのは応援団だった。「俺も野球応援を作りたい」。応援団生活が始まった。しかし、現実はきれいごとばかりではない。厳しい上下関係に、ハードな練習。体力的にも精神的にもつらかった。それでも「しんどいことと楽しいことは9対1。その1割の重みが圧倒的に大きい」。神宮やステージで見る客や選手の笑顔が原動力に。気付けば応援団が大好きになっていた。

団長になった今年度、応援指導班からの就任は4年ぶり。「指導班出身だからできることがある」と心に決め、掲げたスローガンは〝応援とは〟。勝敗がない世界で目指す応援とは何なのか。問い掛け続けることで、団員にも応援を好きになってほしかった。「応援をやらされてるようじゃ応援団じゃない」。背中でも言葉でも貫いたその姿勢。「徐々に根付いてきた」と感触を口にする。願いは確かに、次の世代へと受け継がれた。

最後の舞台がやってくる。4年生は12月23日に行われる定期演奏会・紫紺の集いで引退を迎える。吹奏楽とチアと指導班が一体となって繰り広げるステージはまさに集大成。「掲げたことは全部やった。あとは派手に散るだけ」。応援団に捧げた4年間。その全てを込めて、人生最後の学生注目に臨む。
(はまうら・りょう 営4 文京)