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科学技術研究所が公開講演会「ゲノム編集:何ができるか、その原理と活用方法」

渡邊特任講師による講演の様子

科学技術研究所(所長=桑田茂農学部教授)は2019年12月21日、生田キャンパス・中央校舎で2019年度第2回公開講演会「ゲノム編集:何ができるか、その原理と活用方法」を開催した。約100人の来場者が、ゲノム編集技術の原理から植物や動物へのさまざまな応用研究まで、第一線で活躍する3人の専門家の講演に耳を傾けた。

講演会の司会進行は紀藤圭治農学部准教授が務め、最初に東京理科大学理工学部の荒添貴之助教が登壇。荒添助教は「生命の設計図を操作するゲノム編集:神の領域?悪魔の技術?」と題して、ゲノム情報そのものやゲノム編集技術に関する基礎的な原理などについて解説した。

続いて、「植物の機能を生かすゲノム編集技術研究」をテーマに、徳島大学生物資源産業学部の刑部祐里子准教授が、ゲノム編集研究の取り組みによる植物の遺伝子機能改変について、作物の品種改良を具体的な事例として取り上げながら、研究成果を紹介した。

さらに、明治大学バイオリソース研究国際インスティテュートの渡邊將人特任講師が「動物のゲノム編集~ブタのゲノム編集でできること~」と題して講演。渡邊特任講師は、ヒトの病気を再現する疾患モデルブタの開発やブタをプラットフォームとした臓器再生システムなど、ブタへゲノム編集を適用する応用研究の事例などを紹介した。

各講演後は会場からの質問も多く、活発な意見交換がなされ、ゲノム編集に関する社会的な関心の高さを感じさせる機会となった。