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今年の東京の桜の開花は記録的な早さだという。メディアが毎年開花予想をし、皆が花の開花をこんなに待ち焦がれることも珍しい。満開の桜を楽しむ花見も今や日本の文化として定着している。古くからさまざまな歌に詠まれ親しまれてきたように、日本人にとって桜は特別な花といえる。

桜といって真っ先に思い浮かぶのは、卒業式、入学式であろう。学生にとって桜の季節は、新たな旅立ち、新たな出会い、人生の区切りの時期である。

今年は、その桜の季節の様相が一変してしまった。新型コロナウイルスの影響で多くの大学が、卒業式、入学式を取り止め、授業の開始延期をも決断せざるをえない状況となった。思い出に残る行事の中止は、学生にとって大変残念なことであろうが、皆の健康と安全、感染の拡大防止を第一に考えた苦渋の決断である。

卒業生は社会に出てから、新入生は大学生活において、それぞれの夢に向かって歩んでいく中で、今年の桜の季節に作ることができなかった思い出を作っていってもらいたい。