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2019年度決算について

「収支構造の改善へ着実な一歩」基本金組入前当年度収支差額が9年ぶりに30億円を超える

理事長 柳谷 孝

前理事会では財務健全化を進める中、最終年度である2019年度決算において、基本金組入前当年度収支差額(企業でいう当期純利益)が2010年度以来9年ぶりに30億円を超えました。これも、学費改定や収容定員増を実現したことや、これまでの支出抑制というスタンスを前理事会も引き継いで水光熱費をはじめとするコスト削減に取り組んだことなどが大きな要因であり、教職員の皆様のご理解とご協力の賜物といえます。また、校友やご父母の方々をはじめとする皆様方からのご寄付が伸びていることも、財政の改善に大きく寄与し、2019年度の寄付実績は、前理事会発足時の2016年度比で件数にして42%増の5,273件、金額にして63%増の7.6億円でありました。多大なるご支援に対し心より厚く御礼を申し上げます。

一方、この4月からは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、教学と法人が一体となってさまざまな学生支援を推し進めています。コロナ禍における今理事会の役割は、第一に学生と教職員の健康と安全を守ること、またその基盤となる大学業務の継続性を守ることでありました。当面の対応として、オンライン授業に対応するための情報インフラ投資のみならず、ノートパソコンやWi-Fiルーターの調達と学生への無償貸与に加えて、生活困窮学生への1人10万円、総額5億円の経済支援を行い、同時に中長期的な対応として、今後も災害やウイルスで学生達の修学機会が奪われないように「明治大学学生・教育活動緊急支援資金」を設定しました。法人からこの資金に5億円の供出を行い、また大変有難いことに校友会より2億円ものご寄付を賜りました。今後も各年度で追加の資金供出を続けてゆき、校友や教職員の皆様方からのご寄付も含めて、今理事会の任期中に総額10億円を超えるファンドとする予定です。

このように、すでに今年度の財政は大変厳しい見通しとなることが予想されておりますが、これからも学生達が安心して学びを続けてゆけますよう、できる限りの支援を続けてこの難局を乗り越えてまいります。校友やご父母をはじめとする多くの皆様方からの引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げます。