Go Forward

春学期オンライン授業を終えて

副学長(教務担当) 千田 亮吉 商学部教授

秋学期に向けて大学としてできることは二つある。一つは徹底した感染症対策の下で一部の授業を対面で実施し、学生に通学機会を与えること、もう一つは秋学期も中心になるオンライン授業の質を上げることである。春学期授業終了後に実施したアンケート調査によると、回答した学生の約半数が対面授業の実施を望んでいる。しかし、各キャンパスの施設の収容人数や時間割の構成などを考慮すると、対面授業の実施は限定的にならざるを得ない。そこで、目指すべきはオンライン授業を対面授業に近づけていくことである。

具体的には、三つの実施形態のうち対面授業により近いと考えられるリアルタイム配信型をなるべく取り入れる形で他の二形態を実施することが考えられる。アンケートの結果をみると、コミュニケーション不足に不満を持つ学生が多い。リアルタイム配信型であれば、この不満もある程度解消できる。ただし、対面授業とリアルタイム配信型授業を続けて受講する場合には、キャンパス内にオンライン授業を受講する場所を用意するなど細かい配慮が必要になる。また、より対面授業に近いオンライン授業は通信量が多くなる授業形態でもある。そのため、春学期の1万円に続いて秋学期には全学生に対して一律4万円の通信費の支援を行うことを決定した。

最後に、アンケートが浮き彫りにした長期的な課題についても述べておきたい。2回のアンケートで学生の不満のトップはいずれも課題の多さであった。個別の授業で課題が多いこともあるが、履修している授業の数が多すぎるということも原因と考えられる。実際1、2年生の半数以上の学生が春学期に13科目以上履修している。各授業に集中できるように、同時に履修できる科目数を減らし、カリキュラムや時間割の構成を見直すことが必要で、これはコロナ終息後も残る大きな課題と考えている。