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理事長 柳谷 孝「この難局を校友の皆さまと共に」

新型コロナウイルス感染拡大により多大な苦難に遭われた皆さまに衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、その禍中で私達の命を守り、生活を懸命に支えておられる方々に深く感謝申し上げます。

コロナ禍における本理事会の役割は、第一に学生と教職員の健康と安全を守り、大学業務の継続性を守ることでありました。教学と一体となって、オンライン授業の実施やパソコン等の無償貸与に加え、困窮学生への総額5億円の支援や、3億円規模の印刷通信環境の助成を実施したところであります。また、今後も発生する災害やウイルスで学生の修学機会が奪われないよう「明治大学学生・教育活動緊急支援資金」を設定し、北野会長の下でいち早く校友会より2億円ものご寄付を賜りました。さらに、これに賛同する校友の皆さまを中心に、わずか3か月で1億621万円(2692件・8月27日現在)もの支援が寄せられています。心より厚く御礼を申し上げます。

ところで、今年は本学の大学昇格100年目の年となります。1918年に「大学令」が公布され、これに基づいて昇格する条件として、多額の基本財産を国へ供託することが求められました。本学がその資金の準備に苦慮する中、当時の校友の方々が母校のために寄付集めに奔走し、明治大学は晴れて名実ともに大学の位置付けとなりました。

翻って、現在は世界的な感染症により出口の見えない閉塞感に覆われています。しかし、校友の皆さま方は「同心協力」して後輩学生の学業継続のために、私共と一緒にこの難局へ立ち向かっています。その思いは、100年前の大学昇格時と同様に、後の歴史で語り継がれることでしょう。今後も引き続きお力添えを賜りますよう、何卒お願い申し上げます。コロナ禍が終息し、皆さま方と共に肩を組んで、大学昇格と同じく今年100年目となる伝統ある校歌を声高らかに歌える日が一日も早く到来することを切に願っております。