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第601回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「小学生から明大ボード部」ボードセーリング部 池田 健星

文/田北 俊介(情コミ3)



「君、明大に来れるといいね」「はい、行けるといいです!」。数年後この会話は現実となる。3年連続世界選手権に出場する実力者で、2年次には明大を22年ぶり団体インカレ優勝に導いた池田健星(法4=逗子)。優勝させることが恩返し。今年度は主将として、強い思いを口にする。

明大との出会いは小学2年生の時。体験教室で池田に初めてセーリングを教えたのが当時、明大ボードセーリング部の村上昌彌(2011年商卒)だった。「優しくて楽しかったのを覚えている」。セーリングに魅了された池田はメキメキと上達していく。

5年生にもなると、同世代に敵がいなくなった。そんな池田を練習に誘ってくれたのが、偶然同じお店に道具を預けていた明大ボードセーリング部だった。当時150センチの池田にとって、大学生と同じメニューは「本当にきつかった。でも、体格に頼らない戦い方を学べた」。過酷な練習がさらに才能を開花、世界大会にも出場する選手となった。

偶然は必然へ。池田が入学する年に初めてスポーツ推薦枠が成立した。初めて出会った時に交わした〝明大入学〟への思い。加藤学監督が約束を果たしてくれたことに「本当に感謝しかない」と語る。必死に練習に食らいついた少年は、名実ともにチームのエースとなった。

1枠を争う東京五輪選考会では2位。長年の夢には一歩及ばなかった。しかし「目標は五輪で金メダルを取ること。それだけは変わらない」と前を向く。偶然の出会いと着実な努力が支えたセーリング人生。“明大”で大きく育った池田は世界へ向け再び帆を上げる。
(いけだ・けんせい 法4 逗子 180㎝・69kg)