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父母Zoom就職講演会を開催



「最新の就職活動事情の『今』を知る。父母による父母のためのライブ配信イベント」と称して10月17日、首都圏11地区父母会と連合父母会の共催による「父母Zoom就職講演会」がオンラインで開催された。対象は全国の学部3年生父母約7000人で、事前申込は約800人、当日は対象となる3年生父母の約11%、750人が参加した。

講演に先立ち画面登場してあいさつした大六野耕作学長は、日頃の父母会活動への感謝の言葉とともに、「新型コロナウイルス感染症の影響で、今後の雇用情勢や、就職活動はどうなるのか見通せないことも多いが、企業の採用動向に関わる情報収集感度を高め、学生一人ひとりに寄り添った支援により力を注いでいく」と力強く話した。

続いて登場した東洋経済新報社編集局編集委員で本学校友でもある田宮寛之氏は、例年お願いしている普遍的な父母の心構えや支援について講話を行った。親がやるべきことは、「親の仕事体験を話すこと、就職活動に必要なお金を拠出すること」とする一方、やってはいけないこととして、「内定を取れとプレッシャーをかけることや、そんな会社は知らないなどと言ってはいけない」と注意を促した。他にも、「今、学生がやるべきこと」「就活塾に要注意」「ブラック企業の見分け方」「就職活動の勘違い」「優良中堅企業の探し方」などをテーマに60分間講演した。

就職キャリア支援部の舟戸一治部長は、企業の採用活動の見通しについて、「新型コロナウイルスの影響を強く受け、大手を中心に採用を控える傾向や採用中止報道もあるが、市場全体としては就職氷河期の再来というほど採用意欲が著しく低下するまでには至っていない」と分析した上で、「採用スケジュールは前倒しされ、短期化・集中化する傾向で採用ルートは複線化していく」との見方を示し、「企業側のアクションを見落とさずに、アンテナを高く持つことが大切」と述べた。

就職キャリア支援センターのサポートについては、オンラインイベントをさらに増やし、企業の採用担当やOB・OG講演、面接やエントリーシート、筆記試験などの対策講座、オンライン面接やグループディスカッション練習の場など、ニーズに合わせたさまざまなイベントを実施している。学生の皆さんへは「M-Career」(就職キャリア支援システム)を通じてお知らせしているので活用してほしいとの案内があった。

例年このイベントは、首都圏11地区父母会(東京都東部・西部・南部・北部・多摩、神奈川県東部・西部、埼玉県東部・西部、千葉県東部・西部地区)によって、父母が就職に関わる理解を深めることを目的に、学生の就職指導にあたる就職キャリア支援部の全面協力により開催されている。就職に対する父母の不安を少しでも和らげ、親子の対話が得られることを願って1989年から続けられている。

時期は、4年生を対象とした内定式が執り行われる10月1日を過ぎて、採用側企業や、3年生が、次年度の就職活動に本格的に向き合う10月中旬に開催されている。首都圏父母会に所属する3年生父母が対象となる駿河台キャンパス開催を皮切りに、複数の地区父母会でも開催される。また、5月中旬から全国で行われる父母会懇談会でも、就職キャリア支援事務室員から就職活動の現状や支援について詳しく説明されている。

本年の開催は、新型コロナウイルス感染症による本学の活動制限指針「レベル2」により大学施設が使用できないため初めてオンラインでの開催となった。このことに伴い、首都圏11地区父母会に所属する父母対象の行事だったが、連合父母会と共催することによって、全国の3年生父母を対象に拡大実施された。

このオンライン講演会の準備や進行は、従来どおり首都圏11地区父母会があたった。輪番制で座長を務めた東京都東部地区父母会の竹内嘉代子会長は開会にあたり、「新型コロナウイルスによって活動の自粛、中止など、生活とともに就職活動も一変した」と前置きした上で、「ご父母の皆さまのさまざまな不安などは察するところ。本日の講演や現役内定学生を交えたリアルな就職活動報告を参考にしてもらいたい」とあいさつした。司会進行は、同副座長の埼玉県西部地区父母会の北村育見会長が務めた。

参加父母の感想(アンケートより)

●学生トークでは、それぞれに、それぞれの就職活動ストーリーがあると知り、既定の就職活動パターンに縛られ焦る必要はないのだという思いに至りました。
●Zoom講演会は、地方でも参加しやすいので、できれば今後も開催していただければと思います。
●親のできることは子供を信じて見守ることだとつくづく感じました。
●事前アンケートで留学のことを質問しました。帰国後にキャリアセンターに相談できるという話や、オンラインでも相談が可能と聞き、大変心強く思いました。

文部科学省と厚生労働省が11月17日に公表した2020年度大卒予定者の就職内定率は、前年同期比7.0ポイント減の69.8%だった。本学学生に限っては95.5%と、昨年度と同水準を維持している。また、大学通信とサンデー毎日が全国の進学校進路指導教諭を対象に実施しているアンケート調査では「就職に力を入れている大学」の項目で、11年連続で1位を獲得した。