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第604回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「卓球人生、まだまだこれから!」卓球部 龍崎 東寅

文・写真/福田 夏希(文3)



代名詞は豪快なフォアハンド。プレーの信条は諦めないこと。大会中止が相次いだ中、代替として開催された全日本学生選抜強化大会で、今年度主将を務めた龍崎東寅(商4=帝京)が卓球台の前に立った。

入学は丹羽孝希選手(2017年政経卒・現スヴェンソン)と入れ替わり。卓球部黄金時代の後を任される形で、紫紺のユニホームを身にまとった。中高はJOCエリートアカデミーで卓球漬けの日々。その実力は、それまで無縁だった学校対抗の団体戦で発揮されることになる。

1年次からレギュラーに定着し、リーグ戦でのシングルス勝率は8割越え。団体戦で見せる強さの理由は「応援してくれる人がいる」と気合が入るから。迫力あるプレーで、常に勝利の火付け役を担った。

主将となった今年度。目標は、入学後一度も達成できていない主要3大会の3冠・グランドスラム。しかしこの1年、全ての団体戦が中止に。悲願は、目指す場も与えられなかった。それでも、率先して練習に励んだ。「自分が一番頑張って、背中で見せられるように」。髙山幸信監督も「練習でも試合でも、実力で部を引っ張ってくれた」と賞賛する。エースで、主将。試合はなくとも、最後まで責務を全うした。

「団体戦の胴上げをすごく楽しみにしていて。だから今日、優勝して胴上げしてもらおうと思ったんですけど……」。唯一開催された今回の個人戦は上位に食い込めず。学生生活は望んだ結末ではなかった。でも、これも通過点。目標は世界選手権や五輪への出場だ。「夢を諦めず、いつか出場できるように」。諦めなければ、夢はかなう。大歓声を力に変えて。いつかまた、あのフォアハンドが世界の舞台をとどろかす。
(りゅうざき・とんいん 商4 帝京 172㎝・58㎏)