Go Forward

子どものこころクリニックが開院—地域に開かれた医療と、学生に教育機会の提供を実現

(左から)合田文学部長、青野理事、山登院長によるテープカット 参列した大学およびクリニックの関係者ら

集団療法室など目的に応じたさまざまな施設が設置されている

心理臨床センターは1月15日、「明治大学子どものこころクリニック」を駿河台キャンパス・研究棟に開院し、児童精神科の診療を開始した。同日催された開院式には、青野覚教務担当常勤理事、合田正人文学部長ら法人役員・大学役職者らが参列した。

青野理事と合田文学部長、同クリニック院長の山登敬之文学部特任教授の3氏によるテープカットに続いて、3氏があいさつに立った。

青野理事は、「近代の大学教育においては、単なる知識の伝達に留まらず、現実的な課題の中に学生を巻き込み、課題解決の手法を示すことが重要」とした上で、「クリニックを大学教育の一環と位置付け、大学全体で支えていきたい」と期待を込めた。続いて、合田学部長は、新聞社より取材を受け、医療系学部を持たない大学としては異例の取り組みだと報じられたことを紹介し、「丁寧に取材いただき、良い意味で異例であると報じていただいた。大学にとっても文学部にとっても大きな出来事。人文学の在り方そのものを変えていく形に展開していきたい」と述べた。

最後に山登院長は、関係者への謝意とともに「スタッフ一同『ゴーフォワード』の精神で頑張りたい。ここから我々の腕の見せどころ」と意気込みを語った。

診療科目は児童精神科、精神科、心療内科で、山登院長と3人のカウンセラーが治療やカウンセリングを担当する。初診時に3歳~15歳の子どもとその家族が診療対象となる。診療は電話での予約を優先とし、受付時間などの詳しい情報はクリニックのホームページ(https://www.meiji.ac.jp/mhc/)に掲載されている。

クリニックは地域に開かれた保健医療機関であるとともに、来院者の同意を得た上で研修生が同席するなど、大学院文学研究科臨床人間学専攻の学生や、文学部心理社会学科臨床心理学専攻の学生に臨床実習の機会を提供し、臨床心理士・公認心理師を目指す学生の研修機関として役割を果たしていく。

クリニック開院は2021年1月に迎えた大学創立140周年の取り組みの一つとして位置づけられ、本学の歴史に新たな一歩が刻まれた。