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科学誌Natureとオンラインイベントを共催 —明治大学の生命科学に関する先端研究を全世界に発信

長嶋教授のプレゼンテーションの様子 矢野教授のプレゼンテーションの様子

明治大学は2020年11月26日、科学誌Natureを出版するシュプリンガー・ネイチャーの一部であるNature Research Custom Mediaと協力し、オンラインイベント「Life science: amazing professors at Meiji University in Tokyo」を開催した。視聴者数は世界32カ国・100人以上に上った。

本イベントは、高校生をはじめ、大学生、社会人や世界各国の研究者など幅広い層を対象に生命科学の先端研究を国内外に発信する目的で実施。農学部生命科学科の長嶋比呂志教授、矢野健太郎教授の2人とネイチャー・リサーチのモデレーターが登壇し、進行や発表は全て英語で行われたが、日本語字幕を付けて配信された。

まず、長嶋教授がクローン動物やトランスジェニック動物(外来の遺伝子を組み込んで育てられた動物)の作出と移植・再生医学への応用について発表。深刻な提供臓器の不足が臓器移植医療の応用の妨げになっていることから、遺伝子改変ブタやクローンブタを用い、移植可能なヒトの臓器を生産するというアイデアの実現に関する取り組みを紹介した。

続いて、矢野教授が植物のバイオインフォマティクス(生命情報科学)について解説。コンピューターを駆使し、ゲノムや遺伝子のビッグデータの整備、遺伝子機能に関する知識情報の集積を進めている現状や、これらの情報の統合活用による優良作物品種の開発に有用な遺伝子の見極め、また、バイオエコノミーと炭素循環型エコノミーを促進する革新的な物質生産法の開発など、今後の展望を紹介した。

プレゼンテーション後に行われたQ&Aセッションでは、各教授の研究に関する専門的な質問から、研究分野における将来的な課題や可能性について、予定時間内に収まらないほどのさまざまな質問が寄せられた。感染症拡大の影響で対面のイベントが相次いで中止となる中、生命科学の先端研究を体感できるイベントとして、全世界から高い関心を集める企画となった。