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図書館 『三条西家本 除目書』を刊行



図書館の所蔵資料を利用した研究成果が、『明治大学図書館所蔵 三条西家本 除目書』(明治大学除目書刊行委員会編、八木書店出版)として5月31日に刊行された。

本書は、平安時代・後三条天皇(1034-1073)の自撰による、除目の儀式次第・作法を書いた儀式書『除秘鈔』(『院御書』)の影印・翻刻を収録し、原本調査に基づいた解説を付したものである。本史料の登場により、謎に包まれていた後三条天皇の幻の除目書の全貌が明らかになった。『除秘鈔』と合わせて伝来した『無外題春除目』と、両書の紙背に残存した文書の影印・翻刻・解説も収録する。紙背文書は地方の名士から三条西家に届いた書簡で、室町時代の都と地方の交流の生々しい様子を伝える。原本の『除秘鈔』と『無外題春除目』は本学中央図書館に所蔵されている。

除目書研究調査グループの中心メンバーであり、図書館副館長でもある牧野淳司文学部教授は、「長い間書庫に眠っていた史料が、東京大学史料編纂所の研究者と明治大学図書館および明治大学の教員・院生・関係者が力を合わせることで、世に出ることとなった。図書館所蔵の貴重な史料と最新の成果を多くの人に見ていただけるとありがたい」とコメントした。
(図書館総務事務室)