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本棚 「明治発、世界へ!」栗田 大輔 著(竹書房、税込1760円)



著者は明大体育会サッカー部の監督。夏の総理大臣杯で5年連続の決勝戦進出を果たし、2年前は冬のインカレを始めとして大学生が獲得できる優勝杯を全てものにした。監督歴「6年間でタイトル10個」「プロ50人以上輩出」とオビに謳われているように、結果を出し続けている。だから、これはいま全国の高校生年代のサッカー選手たちが憧れる明大サッカー部の強さの秘密に迫った、タイムリーな本だ。だが、栗田さんの本職は一部上場のゼネコンのばりばりの営業マンである。家庭人でもあり、地域のサッカースクールも経営している。その上、僕が瞠目するのは、選手たちにやる気を起こさせる「教育者」としての姿勢だ。「大学の四年間で「変化する瞬間」が2〜3回ぐらいあるんです。(中略)私はその瞬間を見逃さないようにしています。ここだと思った瞬間に、相手にズバッと響く話をします」と、栗田さんは語る。営業活動で磨いた言葉の力を若い選手の「育成」に活かすその手腕は、職場で若い人たちに接している中間管理職の皆さんにも参考になるはずだ。
越川芳明・文学部教授(著者は体育会サッカー部監督)