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学生相談室 第60回夏期セミナーを開催

「対面授業を望まない学生、望む学生どちらも尊重することが大切」と解説する佐々木氏

学生相談室は、7月11日、コロナ禍における障がい(発達障がい※・精神障がい)のある学生への支援をテーマに、明治大学学生相談室夏期セミナーをオンラインで開催した。本セミナーは、学生相談対応への理解を深めることを目的に毎夏異なるテーマで企画され、本年で60回を迎えた。学生相談室に関わる教員相談員、職員、カウンセラー、精神科医、弁護士など約40人が参加した。

学生相談員長の小松孝徳総合数理学部教授、副学生部長の池田有理理工学部准教授によるあいさつから開始。続いて、障がい学生支援室の近藤裕樹氏、教員相談員の井口幸洋理工学部教授、中野学生相談室の小暮富美恵氏が登壇。3氏はそれぞれの立場から、コロナ禍での支援の状況や、学内各部署との連携の重要性などについて話題提供を行った。

次に、筑波大学人間系准教授で、発達障がいの診断または傾向のある学生への相談・支援、障がい学生支援のマネジメント業務などを担当している佐々木銀河氏を講師に講演が行われた。佐々木氏は、2016年施行、2021年5月に改正法が成立した「障害者差別解消法」について紹介。これまで私立大学などでは「努力義務」とされていた、障がいのある人に対する合理的配慮の提供が法的義務を担うようになったことを解説した。さらに、コロナ禍で続くオンライン授業では、対面授業よりも障がいが見えにくくなるメリットとデメリットがあることへの理解や、授業でつまずいている学生の早期把握が重要であることに言及。対面授業を望まない学生と望む学生の両方を尊重することの大切さを説いた。

佐々木氏への質疑応答も行われ、参加者から、筑波大学の相談体制などについて活発な質疑応答が続き、盛況のうちに幕を閉じた。

学生相談室は創設60年を迎えた。2021年度もコロナ禍に対応すべく、すべてのキャンパスでオンラインを中心とした遠隔相談を行っている。今後もさまざまな学生の話に耳を傾け、学生が自分に合った学生生活を送ることができるよう一緒に歩んでいく。
(学生相談室)

※発達障がいとは、「自閉スペクトラム症(ASD)」や「注意欠如・多動症(ADHD)」、「限局性学習症(SLD)」などが挙げられる