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第613回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「感謝の気持ちを結果で伝える」空手部 久野 晴希

文/西脇 璃緒(情コミ3) 写真/飯塚 今日平(文2)



「自主性を重んじる中で、部員全員が同じ目標に向かって頑張れる部をつくりたい」。そう述べるのは今年度、明大空手部の主将を務める久野晴希(政経4=世田谷学園)だ。新型コロナウイルスの影響で組手練習の制限や試合の中止が相次ぐ中、一人ひとりのコンディションを常に気に掛けモチベーションを保ち、活気ある雰囲気づくりに尽力する。

久野の空手との出会いは、幼稚園の頃。泣き虫を克服するため親に連れられて道場に足を運んだのが始まりだ。以降、中学3年生まで空手漬けの日々をこの道場で送ることになる。

中学では空手と並行して、バスケ部にも所属。想像以上に両立は難しく、思うように空手に本腰を入れられない3年間を過ごした。高校進学を見据えた3年次、高校ではこれまで以上に空手を真剣に頑張りたいという思いから、地元愛知を離れ、東京の強豪・世田谷学園高校に進学することを決意。しかし覚悟を決めたのは久野本人だけではなかった。高校に寮がなかったことから、久野が通学できるように家族全員で東京に引っ越すことに。「家族の全面的な協力と理解は大きかった」。この時、久野の中で「空手でやっていく」という意思が確固たるものになる。

17日には関東学生選手権が行われる。今大会で明大が入賞すれば、10年ぶりの快挙だ。久野にとってもこの大会は空手人生の集大成。「人間的な部分も全部空手から教わってきた」。両親や恩師をはじめ、これまで支えてくれた人たち全員に感謝の気持ちを結果で伝えるべく、全力で勝利をつかみにいく。
(くの・はるき 政経4 世田谷学園 165cm・58kg)