Go Forward

コロナ禍で逆説的に、私たちは人と触れ合って生きていくものだということを痛感させられる。この災難の中、やむを得ず始めたオンライン授業は、教職員と学生の苦労と苦痛という犠牲を払って、しかし何とかこの一年半やってきた。オンラインで会議もやり、飲み会すらこなしてきたのである。これはこれでコロナ禍収束後も、ある程度残した方が良い。つまり、メディア授業やZoom会議やメール審議は今後もあって良い。

しかし人と近い距離で接する喜びはある。授業も会議も飲み会も、互いに近い距離で互いの反応を確認しながら進めたいと思う。

グローバリズムというのは、電子媒介で情報が瞬時に世界を飛び交うことだけでなく、仕事や旅行で、実際に身体を動かして、そこへ出掛けていくということに意義がある。

猿は毛づくろいをするが、これが言語の起源だという説もある。何か用を伝えるために言語があるだけでなく、他者と触れ合う喜びを確認することこそ大事なのだ。相手の息遣いが感じられる付き合いが、節度を保ってできれば良い。