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第615回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「苦悩と人と、向き合い続けた応援団長」応援団 松下 大輝

文/中野 拓土(法4) 写真/応援団



静かな神宮に拍手が鳴り響いた。感染症対策のため昨年度から観客とは離れた外野スタンドからの応援。その最後となる校歌斉唱を終えて、応援団団長の松下大輝(理工4=明大明治)が観客のいる内野席に向かって挨拶をすると、球場はねぎらいと感謝の拍手で包まれた。

「輪に入って一人ひとりと向き合うことが強み」。観客や選手と距離を縮め、言葉を交わすことが何よりのやりがいだった。その声を聞くためならどんなに厳しい練習でも乗り越えられた。しかし、昨年度から新型コロナウイルス感染症の影響で活動は制限。今年度も神宮以外での応援活動はほとんどなくなった。一番の影響は8月下旬の夏合宿中止。吹奏楽部、バトン・チアリーディング部、応援指導班が合同で団の結束力を高める大切な行事だが、開催間近で中止を余儀なくされた。「正直、気持ちが折れてしまっていた」。そんな時、背中を押したのは同期の存在。「頑張ろうぜ」「こんな時こそ楽しくやろうぜ」。今まで自分が掛けてきた言葉が、いつも励まし合ってきた仲間が、勇気をくれた。

最後の神宮で感じたのは、自分が周りに応援されていたこと。どんな試合でも拍手を送ってくれる観客、ねぎらいの言葉をくれる選手たち。そしていつも一番近くで過ごしてきた仲間たち。自分が応援していたつもりが、いつも支えられてきたことに気が付いた。だからこそ「感情を込めた応援でこれまでの感謝の気持ちを伝えたい」。最後の舞台は12月10日に開催される定期演奏会・紫紺の集いとなる。この1年、向き合い続けた団員と共に、最後は泣いて笑って引退を——。感動のフィナーレから目が離せない。
(まつした・だいき 理工4 明大明治 169cm・82kg)

お知らせ
第69回定期演奏会・第67回紫紺の集いのオンライン配信が2022年1月11日から2週間行われます。詳しくは明治大学応援団公式Twitterをご確認ください。
Twitter @meijiouendan