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図書館 現役作家をゲストに読書の魅力を紹介

読書の楽しみを語る木村氏(第3回) 第4回の講師を務めた奥野氏

明治大学図書館と㈱読書人による共催企画『読書人カレッジ』が2021年度に4回開催された。これは、書評新聞『週刊読書人』で有名な同社による初の試みで、大学生に本の選び方、読み方などを教え、本を読む楽しさを知り、考える力を身に付けてもらうことを目的に、現役作家をゲストとして招いて1冊の本との出会いが形成した感じ方や考え方などとともに学生時代のエピソードなどを伺うという企画。明大生の学生生活の充実を目的として図書館が協力して実現した。

第1回は、作家・漫画家の小林エリカ氏を招き2021年7月7日にオンラインで開催。第2回は、ノンフィクション作家の佐々涼子氏を招き10月8日にオンラインで開催。

11月19日に和泉図書館ホールで開催され、オンラインでの同時配信も行われた第3回は小説家の木村友祐氏が講師を務めた。木村氏は郷里の方言を多く用いた自身の著作『イサの氾濫』の一部を朗読し、書かれた言葉(文字)と音声による言葉の味わいの違いなどをテーマに講演した。さらに、読書の楽しさについて、「作者と作品と、自分だけの対話を通じて、他者と自分が同じであり、同時に違うのだと気付くことができる。その複雑さを知るためにある」と語った。

12月10日に開催された第4回は、立教大学異文化コミュニケーション学部教授で文化人類学者の奥野克巳氏が登壇。奥野氏は、文学作品を年間50冊読むことを目標として掲げ、それを9年間続けたというエピソードや、読書会を通じた新たな本との出会いなど、読書との付き合い方や楽しみ方を紹介した。

参加者アンケートでは、「本を介して自分と対話する時間を社会人になってもつくっていきたい」「講師の方が紹介した本が気になったので読んでみようと思う」といった声が寄せられるなど、参加した明大生にとって貴重な機会となった様子だった。