Go Forward

法学部が学部生対象「法学部講演会」を開催

長年にわたる弁護活動での経験などを述べた弘中氏 デジタル社会での公務が抱える課題を指摘した工藤氏

法学部は2021年12月19日、駿河台キャンパス・アカデミーホールで法学部生を対象とした講演会を開催した。これは、新型コロナウイルス感染症による影響で学生生活に制限がある中、法学部での思い出に残るような経験を提供することを目的として企画されたもの。

講演者には、法律事務所ヒロナカ代表弁護士の弘中惇一郎氏と、情報法政策を専門とする大阪大学社会技術共創研究センター招聘教員の工藤郁子氏の2氏を招き、講演と学生との質疑応答が行われた。

第1部は工藤氏が登壇し、「デジタル・IT社会での、行政・公務の課題とこれから」をテーマに、新しい科学技術開発における倫理的・法的・社会的課題や、デジタル社会の行政や公務が抱える課題と展望を解説した。質疑応答では、デジタル化推進に当たって気を付けるべき点について、「近年の流行語であるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の中核は、実はデジタル化ではなくトランスフォーメーション(変革)にある」としたうえで、「デジタル化を進める側は、ユーザーの喜びや痛みに真摯に向き合う努力が必要」と論じた。

第2部は弘中氏が登壇し、「刑事弁護の実務と刑事裁判の現代的問題」をテーマに、長年にわたる弁護活動での経験や、実際に直面した問題点などを紹介した。学生から弁護士に必要な資質について問われると、「予断や偏見を持たず、依頼者の権利などの重要な点を見据える力」と述べ、「これからは外国語を扱う能力や、デジタル技術に関する知識も重要」だとアドバイスを送った。

参加した学生からは、「他ではなかなか聞けないお話を聞くことができ、とても刺激的だった」「先生方の信念や熱意が伝わった。いま自分が学んでいる知識が将来につながることが想像できたので、やる気が出た」などの感想が寄せられ、充実した機会となった様子だった。