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フィギュアスケートでメダルを取った樋口新葉選手をはじめとして、北京五輪・パラリンピックで本学関係者が選手やコーチ、トレーナー等として活躍している。一方で東京の余韻も冷めやらぬうちに、2030年冬季五輪・パラの招致を札幌市が検討している。

東京ではスポーツと関係のない所で不透明さや問題が目についたことは記憶に新しい。開催費用が招致時の2倍になった理由の一つが、当初予算に警備や輸送費等の運営費が含まれていなかったという開き直りとも言える説明は納得できるものではないし、そもそも本当に2倍で済んだのか疑義もある。人事の不透明さも耳目を集めた。昨年末の組織委員会の総括からは、それらについての明確な説明は見当たらない。

スポーツは素晴らしいと言いつつ、オリ・パラ開催は他の国にお任せでいいのかという意見も確かに理解はできる。また自国で見られる感動がひとしおであろうことは東京の経験からも想像に難くない。だからこそ札幌招致の是非だけでなく、今後の五輪・パラリンピックのあり方を考えるために、せめて6月にIOCに提出予定の公式報告書には、費用等に関する覆い隠すことのない明確な説明を期待したい。