1990年4月に農学部に着任して以来32年が過ぎようとしています。振り返れば、着任早々、前任者の残した膨大な骨格標本の整理を依頼され、多くの学校関係者等に引き取ってもらいました。その標本中に、上野動物園で亡くなった象のインディラとキリンのタカオの骨があり、なんとか動物園に返せないかと考え、知人を介して受け入れてもらえることになりました。ところが返還前日に、ある理事の一声で、突然明治に残すことになったとのことで、差し止め命令が出て計画はご破産になりました。その年度末の入試で職員が関与した替え玉受験が発覚し、大騒ぎになり何かとんでもない大学に来てしまったなという思いでした。
その後学部では、センター入試の導入や生命科学科の新設に関わり、縁あって納谷学長のもとで大学運営にも携わり、新学部の開設、多くの規定の制定、3機構の設置等大学の改革に少しは寄与できたのではないかと思っています。多くの方々に感謝しつつ、最初の思いとは違う成長した明治大学が、さらに発展し続けることを願ってやみません。