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第618回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

「名門復活へ ルーキーの挑戦」ウエイトリフティング部 寺西 洸志郎

文/大橋 直輝(情コミ2) 写真/小井土 大裕(情コミ2)



「インカレに出場して大学に貢献したい」。大きな目標を掲げ明大の門をたたいた。9度のインカレ団体優勝を誇る明大ウエイトリフティング部。しかし、平成14年度を最後に団体優勝から遠ざかっている。名門復活に向け、寺西洸志郎(営1=滑川)が追い風となる。

寺西がウエイトリフティングを始めたのは高校1年次。中学卒業と同時に9年間続けていた柔道とも区切りをつけた。「数字として自分の成長を感じられるのが魅力」。柔道で培った柔軟性を武器に頭角を現し、2年次にはインターハイ出場を果たした。

インターハイの結果は惜しくも9位。入賞選手とはわずか1㎏差だった。この悔しさを糧にさらなる飛躍を誓うも、試練が訪れる。椎間板ヘルニアと腰椎分離症を発症。まともに練習ができない期間が半年も続いた。「できることをしっかりやっていればケガ明けに記録が伸びるかもしれない」。希望を持ち続けるも、その先にはコロナ禍が待ち構えていた。

3年次の大会は全て中止に。「3年間の集大成を記録として残せないことが悲しく、きつい状況でした」。そんな様子を見ていた顧問が代替大会を主催。世界で活躍するOBたちも大会を盛り上げた。「本当にありがたかった」。周りの方々への感謝を胸に、高校での競技生活を全うした。

12月に行われた今年度のインカレに寺西は1年生で唯一エントリーされた。しかし、結果は10位。得点を稼ぐことはできなかった。来年度こそ「自分が1点でも多く得点して優勝できるように」。一歩一歩着実に階段を上っていく。
(てらにし・こうしろう 営1 滑川 170cm・105kg)