Go Forward

先端数理科学インスティテュート(MIMS)研究ブランディング事業 第7回公開シンポジウム「あやなすことわり」

大六野学長(中央)、中島氏(右)、西森MIMS副所長の鼎談

明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)は2022年7月28日、研究ブランディング事業に関わる公開シンポジウム「あやなすことわり」をオンラインで開催した。文理融合研究を推進するMIMSの世界観「Math Ubiquitous」をテーマに、2部構成のZoom・ウェビナー形式で公開、多くの参加があった。

第1部は、「ゆらぐ世界に生きる」と題した鼎談。大六野耕作学長、ジャズピアニスト、数学研究者、2025年大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーなど多才に活躍する中島さち子氏、MIMS副所長の西森拓特任教授により、多様性が結ぶラグビーとSTEAM教育の関わりや万博の展示計画などにも話題が及んだ。続く第2部は、感性・折り紙・錯視をテーマに3つの講演が行われた。荒川薫総合数理学部長は「美顔を数理科学する」と題し、人の感性や好みも反映しながら顔画像を美顔化するデジタルエステを紹介。萩原一郎研究・知財戦略機構研究特別教授は「日本文化が育んだ折紙・扇面の数理」について、折紙工学の変遷を説きつつ、“たたむ文化”が日本に誕生した理由を考察した。「人が錯視を起こすのは、生きるため」の演題で講演した杉原厚吉研究・知財戦略機構研究特別教授は、錯視は、人が生きるために脳が最善の選択をした結果であることを、錯視モデルを示しながら論じた。

本シンポジウムでは、一見、数学と無関係にみえるモノやコトが、実は数学の言葉によってさらに輝きを増し、応用技術につながることを分かりやすく解説し、身の回りに溢れる数学に着目する好機となった。なお、シンポジウムの内容はオンデマンド配信しており、自由に視聴可能となっている。
(中野教育研究支援事務室)