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図書館で㈱読書人共催「読書人カレッジ」—作家・温又柔氏が読書の魅力を紹介

言葉と読書の魅力について語る温氏

明治大学図書館と㈱読書人による共催企画「読書人カレッジ」の2022年度第2回が10月14日に和泉図書館ホールで開催された。これは、書評新聞『週刊読書人』で有名な同社による取り組みで、大学生に本の選び方、読み方などを教え、本を読む楽しさを知り、考える力を身に付けてもらうことを目的に、現役作家をゲストに招き、1冊の本との出会いが形成した感じ方や考え方などとともに学生時代のエピソードなどを伺うという企画。初開催となった2021年度に続き、2022年度は第1回が6月24日に駿河台キャンパス・中央図書館で、マンガ原作者・小説家・脚本家の長崎尚志氏を招いて開催された。

第2回となった今回は、作家の温又柔氏がゲスト講師を務めた。台湾生まれの温氏は3歳で東京に引っ越し、台湾語交じりの中国語を話す両親のもとで育ったという自身の経歴を紹介。日本での生活の中で感じた「家の中と外で通じる言葉が違う」という原体験から、日本語で書いた文章を人に読んでもらいたいという気持ちの芽生え、その後、作家となって感じた思いなどが語られた。さらに、人生を変えた1冊の本として、自身のルーツを求めて韓国に留学する在日韓国人女性を描いた李良枝の『由煕』という作品を紹介するなど、言葉と読書の魅力について講演した。

この企画はオンラインでも同時配信された。講演後の質疑応答では会場とオンラインの参加者それぞれから多数の質問が寄せられ、予定時間を超えて大いに盛り上がった。

参加者アンケートでは、「作家さんの生い立ちについてご本人の言葉で語られること自体が新鮮だった」「講演を聞いて、別の人生を経験するために本を読もうと思った」などの感想が寄せられ、新たな読書の魅力に触れる機会となった様子だった。