1971年に18歳で法学部に入学してから52年あまり明治大学と共に人生の大半を過ごしてきましたが、この時期にひときわ思い起こされる出来事が二つあります。一つは在外研究から帰国直後の替え玉受験騒動で、私が主任監督をした教室にたまたま替え玉受験生がいたことから、職員と共に神田警察署で検面調書を取られる一方で、学部の調査委員として不正受験生のあぶり出しや筆跡鑑定人の推薦を行うなどして騒動の決着にわずかながらも貢献できたのではないかということです。もう一つは全学的に昼夜開講制が検討されていた時期に法学部二部主任として二部廃止を決断し、最後の卒業生を無事社会に送り出し、新学部設置の手助けができたことです。いずれにしても学生やご父母の信頼に背くことなく教員としての責任を全うできたのは、多くの先生方や職員の皆さんの温かいご支援のおかげと感謝しております。これからも明治大学が何事にも動揺することなく「一歩前へ」の精神のもとますます発展しますよう祈念しています。