本書は、明治大学で教鞭をとる地理学者たちによる論文集である。
第一印象を臆面もなく記すと、本学にはこんなに多くの、しかも人文から理系(自然地理)までカバーする専門家がそろっているのかと少々驚かされた。紹介者は、編者である荒又先生と同じ文学部に所属するが、多事多端な昨今、同僚がどのような研究を行っているのかを知る機会は案外少ない。他学部の研究者同士ではなおさらだろう。
もっとも本書の特徴は、本学地理学教員の単なる顔見世にあるのではなく、「ポスト・グローバルシティー」東京を、社会階層や気候問題、都市と表象といった多様な角度から共通の俎上に載せている点にある。各種データに基づく丹念な実証に加えて、魅力的な仮説や展望も示されている。
高校生や学部生を意識して編まれたとあって、本書は終始読みやすい。他方で、先行研究類もしっかり言及されるなど、地理学の深淵をのぞきたい欲張りな読者(他分野研究者ら)の関心にも応える工夫がなされている。ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊である。
第一印象を臆面もなく記すと、本学にはこんなに多くの、しかも人文から理系(自然地理)までカバーする専門家がそろっているのかと少々驚かされた。紹介者は、編者である荒又先生と同じ文学部に所属するが、多事多端な昨今、同僚がどのような研究を行っているのかを知る機会は案外少ない。他学部の研究者同士ではなおさらだろう。
もっとも本書の特徴は、本学地理学教員の単なる顔見世にあるのではなく、「ポスト・グローバルシティー」東京を、社会階層や気候問題、都市と表象といった多様な角度から共通の俎上に載せている点にある。各種データに基づく丹念な実証に加えて、魅力的な仮説や展望も示されている。
高校生や学部生を意識して編まれたとあって、本書は終始読みやすい。他方で、先行研究類もしっかり言及されるなど、地理学の深淵をのぞきたい欲張りな読者(他分野研究者ら)の関心にも応える工夫がなされている。ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊である。
松山 恵・文学部准教授(編者は文学部教授)