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第632回 ズームアップ

「新たな経験を糧にさらなる飛躍へ」 スケート部アイスホッケー部門 村社 海莉

文/倉田 泰(国日2) 写真/宮本果林覺前 日向子(情コミ3)



アイスホッケーが盛んとは言えない埼玉県で、北海道の強豪と渡り合ってきた村社。中学時代に全中3位を経験し、高校時代には国体準優勝やインターハイベスト4など全国を舞台に活躍をみせた。それでも、世代別日本代表に呼ばれたことは一度もなく「自分の実力を試してみたかったし、選ばれないショックはあった」。

大学は型にはまらないプレーが売りの明大へ進学。DFとしての守備だけでなく、攻撃の起点となる正確なパスや積極的な攻撃参加を武器に、1年生ながら主力としてのポジションを勝ち取った。明大も春の関東大学選手権とインカレで優勝し、2冠を達成。それらの大会で主力として活躍をみせた村社はついに、世代別日本代表の座を手にした。初選出であったが、チームの看板・1セット目として全試合フル出場。通算5アシストを記録し、U—20世界選手権優勝に貢献した。

そして今年4月上旬には、プロを含めた正式な日本代表の強化合宿メンバーにも選ばれるほどに。明大のプレーヤーでは唯一の選出となり「うれしさや楽しみという気持ちより、心配のほうが強かった」と振り返る。いざ練習が始まると、プロのスピード感やパワーを目の当たりにし、レベルの違いを痛感。徐々に慣れて焦らずにプレーはできたものの、選考は通過できず。日本代表への選出はかなわなかった。しかしプレー面ではもちろん、練習前後の体のケアといったプロ選手の意識の高さも学ぶことができ、いい刺激を受けたと振り返る。

5月からは関東大学選手権が開幕する。明大の目標は秋のリーグ戦も優勝し、3冠を達成すること。村社も「チームとしては全て優勝。個人としてはベスト6などのタイトルを狙っていきたい」と意気込む。今季も明大と並んで4強と呼ばれる東洋大、中大、法大との戦いが正念場。2年目となる今年度も、さらなる成長を遂げた村社から目が離せない。
(むらこそ・かいり 文2 埼玉栄 177cm・77㎏)