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ウィズコロナ時代の明治大学 第2回:①学生支援事務室(奨学金担当)古市 彩さん

明治大学は、対面授業7割実施を目標として2021年度の授業をスタートさせました。コロナ禍での対面授業再開に向け、多くの教職員が一丸となって準備に当たってきました。今回は、学生の経済支援、課外活動支援、健康・保険に関する支援など「学生支援」の多岐にわたる業務の中から、奨学金業務、学生相談業務に携わる2人の職員の思いを紹介します。

<こちらの記事は、明治大学広報第750号(2021年6月1日発行)に掲載されたインタビューの全文になります>

第2回「ウィズコロナの学生支援①」学生支援事務室(奨学金担当)古市 彩さん

——2020年度は授業がオンライン化されるなど、大学では大きな変化の中での1年間でした。古市さんはどのような業務に当たられていたのでしょうか?



2020年度は国による「高等教育の修学支援制度」が開始された年になります。その準備を進めていた最中で、授業形態がオンライン中心に移行されることとなり、奨学金の受付方法を郵送やオンラインへ変更するなどの対応を行いました。

国による「高等教育の修学支援制度」に加え、大学独自の奨学金、日本学生支援機構の奨学金、民間財団・地方公共団体からの奨学金、篤志家の方から寄付による奨学金など、さまざまな種類の奨学金制度があります。コロナ禍での家計急変学生をはじめ、それぞれの事情に応じた奨学金制度、経済支援の案内や申請手続を行ってきました。
——2020年6月には家計急変学生を対象として経済支援が行われました。
経済的な理由による休学、退学、除籍など、学生の修学機会が失われることがないよう、セーフティーネットとなるべく給付が決定されました。家計急変学生へのいち早い支援が求められる中、過去に奨学金業務を経験した職員が、部署を横断して対応チームを結成し、緊急支援の業務に加わっていただきました。
——部署を横断する形での職員の業務対応は異例のことですね。
今後、コロナ対応に限らず、職員同士協力して業務に当たる一つのモデルケースになったのではないかと思います。
——コロナ以前と比べて、業務に変化はありましたか?
これまで、学生の皆さんとは、対面で相談して申請を受け付けていましたが、それができなくなり、メールや電話で対応することになりました。また、お知らせする場合には、大学ホームページやOh-o! Meijiを通じて、情報を必要とする学生に1人でも漏れなく届くように丁寧に情報を発信しているつもりですが、その点苦労しているところでもあります。
——業務のオンライン化が進んだのでしょうか?
そうですね。学生もご父母の皆さんも大学からの重要な情報はホームページやOh-o! Meijiに掲載されているという共通理解が進んだように感じています。大学の奨学金情報をまとめた「ASSIST」という冊子を毎年配布していましたが、この情報は全てホームページに掲載しています。同様に国や日本学生支援機構の奨学金に関する情報もオンライン化が一気に進みました。結果として、学生の皆さんが知りたいと思ったときにスマートフォンで気軽に見ることができますし、離れた地域で暮らしているご父母にとっても即座に知ることができようになったので、オンライン化のメリットを実感しています。
——今年度、新たな支援などの計画はありますか?
昨年度に引き続き、今年度も経済困窮学生に対する経済支援が行われる予定です。春学期(6月予定)にご案内できるよう、教学企画事務室、学生支援部、国際連携部、大学院、専門職大学院などの関連部署において急ピッチで準備を進めています。こちらも大学ホームページ、Oh-o! Meijiで発信する予定ですので、学生、ご父母の皆さんにはぜひご確認いただければと考えております。
——ウィズコロナでの学生支援について、どのように考えられていますか?



昨年1年間、学生、ご父母の皆さんと向き合って感じたのは、コロナの影響による経済困窮の問題は根深いということです。「高等教育の修学支援制度」など国からの経済支援も行われていますし、大学でもさまざまな経済支援を展開していますが、今後、1、2年先にコロナの影響による経済困窮がさらにあぶり出されてくるのではないかと危惧しています。学生やご父母の皆さんの意見に耳を傾けながら、そのような事態が起こった際に、どのような支援が必要になるかということを見据えて、新たな仕組みなどを整えておくことが重要だと感じています。
——学生、ご父母との対応の中で心がけていることはありますか?
相談や申請手続が対面ではなくなったため、物理的な距離感はどうしても拭えません。学生さんとフェイス・トゥ・フェイスで相談を受け、ご父母の窮状について直接お話を伺うことが少なくなりました。しかしながら、メールや電話であってもきちんと寄り添い、心の距離感を縮めた対応ができれば、対面と変わらない学生支援体制が提供できるのではないかということをいつも念頭に置いて業務に当たっています。大学が学生の皆さんにとって、いつでも相談できる身近な存在でありたいですね。