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沖縄県立開邦高校で特別授業を実施~6月18日琉球新報で掲載~

2022年06月18日
明治大学 広報課

自分だけの「問い」を焦らずじっくり見つけてほしい と生徒に語りかける杉原研究特別教授自分だけの「問い」を焦らずじっくり見つけてほしい と生徒に語りかける杉原研究特別教授

「不可能立体を作る際のインスピレーションはどこから湧いてくるのか」など、質問が飛び交った「不可能立体を作る際のインスピレーションはどこから湧いてくるのか」など、質問が飛び交った

立体錯視アーティストとしても活動する杉原研究特別教授。画像は変身立体「気まぐれハート」。4つに連なったハートが、鏡(画像上部)に映ると異なる形に見える立体錯視アーティストとしても活動する杉原研究特別教授。画像は変身立体「気まぐれハート」。4つに連なったハートが、鏡(画像上部)に映ると異なる形に見える

沖縄県立開邦高校で5月17日、明治大学研究・知財戦略機構 先端数理科学インスティテュート(MIMS)の杉原厚吉研究特別教授による特別授業が開催され、同校の学術探究科2年生、約200名が受講しました。
この取り組みは、最先端の研究者の授業を高校生が体験する「明治大学特別授業」として、例年全国の高校で実施しているものです。
 
杉原研究特別教授は、ロボットの目を開発する研究の中で、「不可能図形」と呼ばれるだまし絵を立体化して「不可能立体」を作る手法を発見。授業では、なぜ「不可能立体」が「可能」になるのかを解説しました。
 
「私たちが目で見たモノの情報は、実は奥行きのない平面の画像なのです。この画像から立体を知見できるのは、脳が奥行きを想像しているからです。この想像という部分が重要で、脳が平面の画像から奥行きを想像する過程は、数式で表すことができます。」
杉原研究特別教授は、この数式を利用して、脳が実際とは異なる形を想像してしまう「錯視」の仕組みを説明。実際に作り出した不可能立体と、錯視が起こる仕組みを次々に紹介しました。
 
立体錯視の世界を探究し続けてきた杉原研究特別教授は、授業の最後に次のように語りかけました。 
「実はいちばん難しいのは、自身が本当に解き明かしたい『問い』を見つけることです。私自身も、研究生活の中で、そのような問いを見つけるのに20年かかりました。問いを見つけることができたら、あとは解決するまで取り組むだけ。皆さんも、自分だけの問いを、焦らず、じっくり探してみてください。」
 
参加した学術探究科の生徒からは、「今日の授業で、身近な問題でも深く掘り下げると面白くなることがわかりました」「探究する姿勢について深く考えさせられました」といった感想が寄せられ、視野の広がりや大学の学びへの関心を高めてもらえる有意義な機会となりました。

講義の採録は2022年6月18日(土)の琉球新報 朝刊で掲載されました
 

Optical Illusionist by 杉原厚吉(Incredible Senseis at Meiji University)(YouTube)