過去の太陽光の恩恵が長い年月をかけて蓄積された化石エネルギーを用いる火力発電、現在の太陽がもたらす自然の力を電力に変換する水力および風力発電などと比較して、太陽電池は現在の太陽エネルギーを直接電力に変換する方式です。その意味で、現代人に与えられた太陽の恵みの範囲で利用する身の丈に応じたエネルギー源と言えます。ただし、現代人は太陽が沈んでも電力を必要としているため、太陽の恩恵を上手に利用するためには、蓄電技術と時間および地域を超えて効率的に再配分するためのシステム構築が不可欠です。長くガソリンやディーゼルエンジンで駆動されてきた自動車が、ハイブリッドを経て電気自動車に移り変わりつつあるように、エネルギーを電力に求める方向は今後ますます強くなると考えられます。人類が生存の大きな部分を依存するエネルギーに関して、情緒的な議論はふさわしくなく、現実を直視しない目標設定も良い結果をもたらしません。理にかなった研究開発を、着実かつ漸進的に加速することが望ましく、本インスティテュートがその一翼を担う決意です。