図2(a) NEDOプロジェクトの開発体制(拡大してご覧いただけます)
図2(b) 成果の一部である厚さ0.095mmの低コスト太陽電池セル
再生可能エネルギーの実用化にとって、もっとも大きな課題は、既存技術に比べて大幅に高い発電コストにあります。我々はその低減を目指して、参画している(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託プロジェクトおよび(独)科学技術研究機構(JST)のCREST(戦略的創造研究推進事業)プロジェクトで、もっとも資源に余裕があり経済性に優れた、結晶シリコン太陽電池の研究を推進しています。
図2(a)にNEDO極限結晶シリコン太陽電池プロジェクトの運営体制を示します。プロジェクトにおける本学の担当は結晶およびプロセスの評価であり、さらに豊田工業大学と協力して、共通基盤技術プラットフォームの役割を担い、プロジェクト運営を中心となって遂行しています。
図2(b)は、プロジェクトの代表的な成果のひとつ、厚さ0.095㎜の超薄型太陽電池セルです。太陽電池セルの薄型化は、機械強度の劣化や発電に寄与する体積の減少などの困難を伴いますが、原料の節約による発電コストの低減効果が大きいことが知られています。さらに、原料、製造、および設置コスト当たりの発電量の増加によるコスト低減効果は、面積当たりの発電効率の向上によって達成されます。太陽電池の場合、発電効率は面積当たりの照射太陽光エネルギーに対する、電力エネルギーへの変換効率で表現されます。