研究概要 |
(研究実施計画) ソ連ネップ期に書かれた多くの社会喜劇のうち,日本では原作が入手できないロマショフやエルドマンやアルドフの戯曲を入手するためにモスクワへ出張して資料収集に努める。 また,現在でも上演されている少数の戯曲,ブルガーコフ作「ゾーイカの住宅」,エルドマン作「自殺者」などの上演を直に観るとともにロシア人観客の反応を確かめてきたい。 次にロシアの古典喜劇であるゴーゴリ作「検察官」やグリボエードフ作「知恵の悲しみ」などと読み較べて,社会喜劇の伝統がいかに現代化されて受け継がれているかを,喜劇の構造と手法の二点から比較検討していく。 最後に,難題ではあるが,これらネップ期の社会喜劇が果たしていたと思われる対社会的な諷刺の機能が,現在でもいかなる局面において働いているかを考察したい。 |