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センター長の挨拶~日本語教育センター~

日本語教育センター長  宮本 真也

 明治大学で留学をしようと考えているみなさん、はじめまして。
 日本語センター長をしています、宮本真也と申します。
 
 明治大学で留学を始めるみなさんをサポートする仕事に就いたことをきっかけに、私も初めてドイツで語学留学をしたときのことを思い出しました。
 ドイツは日本からすれば遠い国で、そのころ私はそう簡単にドイツに行けるとは考えていませんでした。しかし、日本で研究したいと思っておられるみなさんと同じように、ドイツの文化、習慣、食事、音楽、デザインには関心があり、テレビや映画などのメディアでそれらを見つけては、留学への夢を大きくさせていました。特に私の専門はドイツの社会哲学や思想ですので、ドイツ語を学ぶということは、どうしても必要なことでした。そのため、日本に居るときから語学学校でドイツ語を勉強し、時にはクラスメートとドイツについて情報を交換したり、時にはドイツについてのイベント(ビール祭!)に参加したり、ドイツ人の留学生と友人になったりしていました。
 そしてやっとドイツに渡ることになりました。最初の滞在はあっという間の二ヶ月でした。そのときに、心の底から感じたのが、「外国語を話せる」ということの大切さでした。当たり前なのですが、私が留学した先は「外国」です。また、そこで私は「外国人」ないしは「外人」でした。これまで知り合ったこともない人たちのなかで、しかも日本という国も、私が生まれた都市のことも知らない人たちとも、もちろん、下手な外国語だったと思いますが、ある程度、分かり合うこともできましたし、ジョークも言えるようになっていました。そして、その言葉のおかげで、日本に居たままでは知らなかったこと、ガイドブックには紹介されていない、素敵な場所にも訪ねることができました。「変なアジア人」と思われていたのかもしれませんが、友人も増えたと思います。
 言葉は二つの意味で壁を取り払ってくれると、私は思います。一つは心の壁です。外国語を身につけることで、知らない誰かとのあいだの壁を越えることができます。もう一つの壁は空間的な壁です。外国語を知ることで、遠い、知らない場所に、安全にたどり着いて、そこで安心して暮らすことができます。日本語は、みなさんの慣れ親しんでいる言葉とはずいぶん違う言葉かもしれません。しかし、よりよく日本語を理解することは、より安心で、楽しく日本で生活し、研究をすることを約束してくれると私は信じています。日本語教育センターの目的は、こうした留学生のみなさんの日本の学習のためのサポートです。そしてそのことは、みなさんの日本での生活に関わるもっとも重要なことであると私は考えています。そして、もし日本語についてみなさんが自信を持てたのでしたら、毎年開催される「学長杯留学生日本語スピーチコンテスト」に、どうぞチャレンジしてみてください。みなさんの日本での生活の成果をお聞かせいただけるのを楽しみにしています。
 留学生のみなさんが、日本での生活、研究をより豊かに、そして安全に行うことができるように、日本語教育センターはお手伝いをいたします。私も微力ながらお役に立ちたいと考えています。
明治大学 日本語教育センター長
Director, Japanese Language Education Center
宮本 真也